江戸時代に幕府の御用職人として創業した染め物店「三富染物店」（三浦市）が、伝統の大漁旗制作と体験教室で注目を集めている。伝統の大漁旗は「かながわの名産１００選」の一つで、県内で唯一制作していると伝えられる。

店主の三冨由貴（よしたか）さん（４６）は「もっと三崎のことを知ってほしい」と述べている。実施中の「ミニ大漁旗染付体験」は約１時間、料金は３５００円（送料込み）で、要予約のプランである。

図柄はマグロ、タイ、クジラ、カジキの４種類から選び、事前に「のりおき」が施された白い布に刷毛で染料を載せて配色する方式である。作業は絵付け自体は取り組みやすいが、絵付け以外の種々の工程もあり完成品は後日郵送される。

のりおきの熟達には約１０年かかるとされ、丁寧な指導のもとでオリジナル作品が仕上がる点が魅力とされる。外国人グループのリピーターもいるという。

１２月～３月限定の「干支のミニ大漁旗染付体験」（５５００円）も用意され、新年飾りとして利用できる。体験はホームページの「お問い合わせフォーム」で２日前までに要予約、文字変更は別料金となる。

店舗情報は三富染物店：三浦市三崎１の１０の９。京急線三崎口駅からバスで日ノ出下車１分。午前８時～午後８時。不定休。電話０４６（８８１）２７９１。飾り旗（祝旗）や手ぬぐいなどのオーダーも受け付けている。