NHK連続テレビ小説『ばけばけ』の松江を舞台にした映像表現が視聴者の関心を集めていると報じられている。明治時代の松江の街並みは再現され、松江大橋はセットで再現されている一方、オープニングに使われた写真は川島小鳥が実際に松江大橋で撮影したものだという。

第5話ではトキ（髙石あかり）が鏡の池で硬貨を乗せた紙を浮かべる占いの場面が描かれ、八重垣神社のシーンが特に印象に残るという。記事はその描写がトキのモデルである小泉セツが八重垣神社で恋占いをした史実と重なっている点を指摘している。

出演者が撮影外でも八重垣神社を訪れ、鏡の池で硬貨を浮かべる写真を残していることも伝えられており、こうした実際の行為がファンの関心を後押ししている。映像面ではVFXを駆使して松江城などの風景とセット写真を効果的に組み合わせている点も強調されている。

一方で記事は、ロケ地が「聖地」と呼ばれるための要素についても論じ、近年の例としてNHK連続テレビ小説『虎に翼』のロケ地である名古屋市市政資料館を挙げている。名古屋市市政資料館は赤レンガの外観や大階段、法廷の撮影空間が象徴的で、視覚的記憶を呼び起こす場所として観客に残った。

同館は第75回NHK紅白歌合戦で主題歌「さよーならまたいつか！」の披露舞台にもなり、作品と現地が結びつく機会が増えた事例として紹介されている。記事は、歴史的背景の再現性、象徴的な撮影場所、作品と現実の接点が揃うことで八重垣神社が視聴者にとって親しまれる「聖地」になり得るとまとめている。