酒井敦美の企画展「旅する光の切り絵展 〜くうそうって、まほうだよ〜」が松山市堀之内の愛媛県美術館で開かれている。12月21日まで開催される展覧会である。

酒井は切り絵に光と映像を融合させた独自の表現を「光の切り絵」と名付け、光に透かすことで作品の表情を変える制作を続けている。今回の展示では、一つの作品が光の当て方によって二通りの見え方をする「一画二驚（いちがにきょう）」をはじめ、順光と逆光で一作品に二つの世界観を見せる作品群が並ぶ。

愛知県在住の酒井が東予から南予まで愛媛県内を取材して情景を光の切り絵で表現した大型映像作品「地球スケッチin愛媛」など、約40点を展示している。さらに、動く光の切り絵に優しい歌と音楽を合わせた絵本の読み聞かせのような映像作品「うごく絵本シアター」も紹介されている。

担当の学芸員は瀬戸内しまなみ海道沿いの島の風景や内子町の街並みなど、地元の情景を特に見てほしいと話している。観覧料は一般1400円、高校大学生1000円、小中学生800円で、問い合わせは同館（089・932・0010）へ。