吉田修一の原作小説「国宝」が李相日監督の手で映画化され、公開作は邦画実写作品の興行収入ランキングで歴代1位を樹立した。原作は2002年の「パレード」で山本周五郎賞、「パークライフ」で芥川賞を受賞し、2007年の「悪人」などで知られる吉田修一による作品である。

主演に吉沢亮、共演に横浜流星を迎え、黒川想矢、越山敬達、田中泯、渡辺謙らが出演している。物語は歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年にわたる一代記を描く。特に俳優陣は吹き替えなしで歌舞伎シーンに挑んだ点が話題となっている。

本作はカンヌ国際映画祭「監督週間」や上海国際映画祭、トロント国際映画祭、釜山国際映画祭、タイ・バンコク国際映画祭など国内外の主要映画祭に出品された。興行通信社のランキングでは従来の首位作『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』（2003年、173.5億円）を超える成績を収めている。

さらに第98回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表に選出され、配給面ではGKIDSによる北米公開が予定されている。幅広い世代に支持される作品として国内外での注目が続いている。