絵本『ねむねむごろん』（KADOKAWA）は2019年の刊行以来、2025年11月現在で29刷、10万部を超えるロングセラーとなっている。ゾウやクマ、ウサギなどの動物たちと赤ちゃんがそれぞれの心地よい姿勢で眠りに落ちていく様子が描かれ、読む人に安心感を届ける内容である。

SNSでは親子で絵本のポーズをまねする写真や動画が投稿され、共感の声が広がっている。作品の繰り返しや簡潔な動作がまねしやすく、子どもが遊び感覚で“ごろん”と横になることで自然な入眠につながるとの指摘がある。

作者のたなかしんは長年画家として活動し、不眠症を抱えていた経験から「安心して眠れる」テーマに惹かれ、眠る動物たちのスケッチを積み重ねることが本作の出発点になったと語っている。最初はラフの手作り絵本として制作を始め、登場キャラクターの表情を丁寧に描き込んでいたという。

出版後は親子の就寝習慣に寄り添う一冊として評価を得ており、忙しい夜でも穏やかな時間を生む絵本として広く支持されている。