2025.11.25
4〜8mm穴で挿入、薄型ECoGをビーグルで検証
2025.11.25
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香港大学などの研究者らが発表したプレプリント「Guidewire-driven deployment of high density ECoG arrays for large area brain-computer interface」は、脳表面上の広い面積に電極シートを配置できる低侵襲術式を提案している。ブレイン・コンピュータ・インタフェース（BCI）に必要な電極装置を小さな穴から挿入できる点が特徴である。
デバイスは厚さ21μmの極薄フィルム電極アレイで、2cm四方に256個の電極を配置し、折り畳んで挿入後に硬膜上で4平方cmまで展開できる構造である。術式はガイドワイヤ駆動型BCIと呼ばれ、頭蓋骨に8mmの穴を1つ、4mmの穴を3つ開ける手順で、折り畳んだデバイスを8mmの穴から挿入しワイヤを引くことで展開する。標準的な脳外科器具のみを使用し、手術は約2時間で完了するという。
研究チームはビーグル犬を用いて実証実験を行い、犬の聴覚野に電極アレイを設置して100Hz、1000Hz、1万Hzという異なる高さの音を聞かせた際の脳活動を記録した。各周波数に対して明確に異なる神経活動パターンが観察され、機械学習による解析ではどの高さの音かを80％以上の精度で判別できたと報告している。
また、この方法は従来の開頭手術に伴う腫れや炎症、感染症などの合併症リスクを低減できる点が利点として挙げられる。実験では手術を受けた犬が翌日には正常に活動でき、MRI検査でも手術直後および手術2週間後に脳の構造に変化がなかったことが確認された。著者らは低侵襲化により臨床応用の幅が広がる可能性を指摘している。
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