「com-ion（コミオン）」は2025年春にオープンした、築110年を超える古民家の母屋、蔵、離れをリノベーションした文化複合施設である。平安神宮を中心とする岡崎のカルチャーゾーンに位置し、京都市京セラ美術館、京都国立近代美術館、京都府立図書館が近隣にある。

施設はカフェ、オールデイダイニング、清水焼の工房＆ショップ、コワーキングスペースの4つで構成される。京都市営地下鉄東西線「東山」駅の1番出口から歩いて3分ほどで、白川のせせらぎに沿う小径経由や三谷神社前の石橋を渡るルートが案内されている。

「com-ion」は二年の歳月をかけてリノベーションされ、床の間や欄間、土壁の一部は原状を残している。工事中に出てきた栗の木でカトラリーを作り、廃材をテーブルの脚に活用するなど、古材を生かす意匠が随所に見られる。

オールデイダイニング「HiTOHi（ヒトヒ）」はモーニング、ランチ、ディナーを提供し、モーニングは自家製ベーコン、フォカッチャ、野菜のグリル、セージバターを使った目玉焼き、「丹後ジャージー牧場 ミルク工房そら」のチーズを盛るプレートで、グラノーラか季節野菜のポタージュが付く。ベーコンとフォカッチャは薪火で焼くためスモーキーな香りが特徴である。

昔ながらのおくどさん（かまど）と同じ伝統的手法で漆喰を塗り、磨き仕上げをしたキッチンも備わる。白川に面した「ほとり」はカフェ＆ショップで、コーヒー、アールグレイ和紅茶、ワイン、クラフトビールなどを提供する。