俳優の板垣李光人が構成・絵・文章を手がけた初の絵本『ボクのいろ』を11月6日に出版した。作品はまっ白なからだをもつ不思議な生き物「ヌル」が、色とりどりの世界で悩みながらも自分の色を見つけるまでを描く物語である。

板垣は本作で、集団に属する安心感と、そこから少しでもはみ出していると感じたときに生じる劣等感の揺れをテーマに据えている。小学校から高校、大学、そして社会に出て仕事をする過程での孤独や自己発見を織り込み、子どもたちの「転ばぬ先の杖」になればと語っている。

子ども時代はマンガをきっかけに読書に親しみ、『週刊少年ジャンプ』や『ドラえもん』『キテレツ大百科』『オバケのQ太郎』『かいけつゾロリ』などをよく読んでいたと振り返る。図工や絵を描くことが好きで、そうした経験が絵本制作の土台になっている点も強調されている。

物語は主人公「ヌル」の視点を通して個性や居場所の問題をやさしく問いかける構成であり、俳優としての活動に加え創作表現の新たな幅を示す出来事である。