ホンダが渋谷で「スパイスカレー」の提供を通じて都市型のブランド接点を設けたと報じられた。従来型のディーラー接触が若者の生活動線と必ずしも合致しない点を課題と捉え、日常の行動を乱さない短時間の体験を重視している。

提供されるスパイスカレーは味覚や香りといった五感を活用し、映像やデジタル広告だけでは伝わりにくい印象を残す狙いである。渋谷はZ世代の移動の中心地であり、免許を持たない層も多く、日常行動の中で接触機会を作りやすいと指摘されている。

この都市型施策はSNSとの相性も想定され、来店者の体験が周囲に広がることで接触機会が増えることが期待されている。体験を短時間化する手法は、専用の行動に時間を割きたくない若者の行動傾向に合わせた工夫である。

ホンダはこうした手法をプレリュードの価値理解の前段階として位置づけており、展示やショールームに頼らない接触形成を目指している。記事はプレリュードが打ち出す「6つの走り」の感覚的な価値は実際に体験しなければ伝わりにくいとして、味覚体験がその補助になり得ると伝えている。都市空間を活用した短時間のブランド体験は、若者の日常動線に沿う新しいマーケティング手法の可能性を示している。