2025.11.17

離島防災の課題が浮き彫り 津波訓練現場

2025.11.17

キービジュアル 出典: news.yahoo.co.jp

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東京都の新島(新島村)で、南海トラフ巨大地震を想定した大規模な津波防災訓練が15日に行われ、12年ぶりの実施となった。訓練はマグニチュード(M)9級の地震や、昨年初めて出された「南海トラフ地震臨時情報」を取り入れて都と村が合同で実施した。

最大で約24メートルの津波が想定される新島港周辺では自衛隊のヘリコプターが出動し、津波避難タワーで孤立した住民を上空からロープでつり上げる救助が行われた。海側からは水上バイクや潜水士による引き波対応や、海上保安庁の巡視船・東京消防庁の消防艇への収容訓練が実施された。

高台にある都立新島高校の体育館では中学生らがテントを設営して避難所の開設訓練に参加し、受け入れ体制の確認が行われた。島内にはがれきに埋もれた家屋や横転した車を模した浸水区域の訓練場が設置され、警視庁の特殊救助隊や消防のハイパーレスキュー隊が警備犬や重機で捜索した。

都の被害想定では地震発生から約8分で津波が到達し始め、その後約7分で最大約27メートルに達するケースが想定されている。新島の人口は約2千人で、最悪の場合は島民の4割の800人が命を奪われる可能性が示され、短時間での避難や孤立対策の重要性が改めて強調された。

訓練自体は目立ったトラブルなく終了したが、本番で十分な対応ができるかは不透明であり、迅速な避難と物資・人員の確保といった離島特有の課題が残ると指摘されている。

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