2025.10.28
民宿改革で迎える第四次離島ブーム
2025.10.28
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国学院大学観光まちづくり学部の井門による論考は、離島における小規模宿泊業の現状と将来を分析している。定点観測で訪れる対象地は多くが過疎地域や離島であり、民宿の役割や事業のあり方が詳細に論じられている。
著者は離島の歴史的な観光潮流を振り返り、1960～70年代の第一次離島ブームで伊豆諸島の新島や神津島が若者に人気を博し、東海汽船の夜行便のデッキがにぎわったことを指摘する。伊豆大島の黒砂「ブラックビーチ」など多様な景観も紹介される。
1975年頃に観光客数がピークを迎えその後減少に転じた経緯、バブル期の第二次離島ブーム、現在の第三次離島ブームが主に沖縄やインバウンド需要に依拠している点も述べられる。
離島の観光資源は祭事や文化、伝統料理、自然公園と多彩である一方、人口減少による担い手不足、交通アクセスの脆弱化、1970年代から変わらない受け入れ側の施設・サービスが課題であると分析する。特に民宿は「日本版ホームステイ」としての魅力を持つが、高齢化で料理提供をやめる例や後継者不在による廃業の懸念が増している。
著者は、現代の旅行者に合わせたサービスや設備への進化と、ひとり旅対応など新たな需要の取り込みが若い観光客や後継者を呼び戻す鍵になると結論づけ、さもなくば離島観光が「かつてあった夢」になりかねないと警鐘を鳴らしている。
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