金継ぎ専門店「つぐつぐ」は、登録有形文化財の町家「京都 肉のひろ重 八百屋」とコラボレーションし、11月1日（土）〜16日（日）の期間限定でイベントを開催する。会場は明治時代の町家を改修したレストランで、100年を超えて受け継がれてきた京都の暮らしそのものが感じられる空間である。

イベントは「体験」「修理」「購入」の三つの形で金継ぎを紹介する。約90分のワークショップでは割れた器の接着と金蒔きを実際に体験でき、伊万里焼の器や本漆、23金を使用する。

破損した器を職人がその場で診断し、見積もりから工程説明まで丁寧に対応する修理受付が設けられる。修復の工程を間近で見学できる機会や、職人が手がけた金継ぎ器の展示販売も用意される。

自宅で挑戦できるキット販売もあり、来場者がそれぞれのペースで“直して残す”という金継ぎの精神を体感できる内容である。金継ぎは室町時代から約500年にわたる技法で、欠けやひびを隠すのではなく美として生かす哲学がある。恵比寿や浅草に店舗を構える「つぐつぐ」は海外からの参加者が9割を占めるなど国内外で注目を集めており、500年の技と100年の町家が重なる空間が用意されている。