心にぽっかりと穴が開いてしまった。呪術廻戦のアニメ第1期が終了してしまったから。これから何を一週間の心の支えにして生きていけばいいんだ! なんて嘆きながら一方でけろっとした顔で、とりあえずヒロアカの新シーズンを見るわけですが。
呪術廻戦、面白いですよ本当に。
改めまして、こんにちは。気軽な友だちの作れるサービスを作っています、 “つなげーと” です。
きょうは普段から「友だち」について考える私たちが、「呪術廻戦」を通して友人関係について考えてみたいと思います。
呪術廻戦のアニメでまず圧倒されるのは、その迫力です。昔のジャンプ漫画のアニメ化なんてものは「タダでストーリーを追えるもの」「本当に好きなら漫画を買ってね」なんてくらいのものだった印象があるのですが、2021年のジャンプアニメはどれもこれも凄い。呪術も例外ではなく、第1話からそのダイナミズムにグッとくる。
五条先生と両面宿儺の正面対決。これ絶対に簡単には実写で撮れないですよ! 漫画では実現不可能な大振りで大迫力の映像表現にゾクゾクなわけです。
さりげない人間関係
そしてアニメ・コミックスを問わずしてこの物語で筆者が魅力に感じているのは、さりげなくも味付けのしっかりした人間関係です。
ヒロアカのような強烈なライバル関係や師弟関係があるわけでもなく、鬼滅のような団結した仲間意識もどちらかといえば希薄。でも別に仲が悪いとかそういうわけではなく。オフビートとも呼べるようなしっとりとした人間関係が魅力なのです!
たとえば、野球回。紆余曲折あり東西の呪術高専があろうことか野球をしていましたが、速攻で顔面にデッドボールを受けて倒れる東堂。敵味方は関係なくその場にいる全員が「ナイスピッチ」と乾いた掛け声で励まします。東堂だけはそれはそれは嫌われているわけですが、それ以外のメンバー全員は薄~~~くコミカルに団結しているわけです。
オマケの「じゅじゅさんぽ」が面白い所以はここにある。キャラクター同士のちょっとした連なりが面白い。
僕が呪術廻戦の中に「強い繋がり」を感じることはありません。解釈は無限であり、もちろん当然検索すると様々なカップリングがあります。しかし少年漫画のいち読者として、強烈なそれを読み取ることはできないのです。虎杖を「ブラザー」と慕うある意味で最も少年漫画らしいキャラクターの東堂は全員から煙たがられているくらいですから。
でも、そのドライな友情関係が僕はとても心地よいと思います。
なんとなくの関係が良い。
よく少年漫画で描かれるような「強い友情」「アツい友情」ではないなと感じるシーンが多々あります。
そもそも虎杖が伏黒に助けられた理由もなんだか判然としないし、釘崎とも特にツンケンすることなく打ち解けてる。そうこうしてる間に虎杖は一旦死んじゃうわけですが、伏黒も釘崎も彼とは付き合いが浅いはずなのにしっかりと落ち込んでいる。
特に主人公の虎杖は誰ともで、なんか「なんとなく」で友だちになっていませんか?
そんな彼の一番の友だちはきっと吉野順平でしょうか。真人にだけは人一倍の憎悪を示す虎杖。吉野順平には異常なこだわりを見せています。伏黒たちよりもその友情の念は色濃いように思えます。あれ、またしても気になる。なんで順平とそんなに仲良くなったんだったっけ。
この物語には、なんとなくの友情で溢れている。
これが「友だち」なのか!
特に理由はないけど、たまたま会ったから話して、仲良くなって。
ご飯くらいは一緒に食べるし、でも別に毎日一緒になって熱く将来を語るわけではない。かといって相手に興味がないわけでもなく、話してくれるなら聞くし、聞いてくれるなら話す。
漫画や映画といったフィクションを目の前にしたとき、そこで起こること全てに理屈を求めてしまいがちです。(筆者のようなややこしい鑑賞者は特に!)
でも実際の日常で人と話すときに、そんなの全く関係ないじゃないですか。ちょっとでも共通点があるなら会話はおのずと始まる。
むしろこの気軽さこそが、友だちっぽいというかリアルですよね。
私たちの「つなげーと」も、なんとなくスポーツをしたり、「これ食べに行こう!」と行きたい人たちが一緒にでかけたりするサービスです。
まったく接点の無かった人たちが、参加して集まりさえすれば「なんとなく」仲良くできて一緒に楽しめる「領域」を展開しているのでした。
友だちになるのに理由はいらない。
「呪術廻戦のキャラって友だちになる必然性が薄い気がするな」と思う人もいるようです。
なぜ仲良くなったのか「わかりやすく説明できる」作品が多い中、呪術廻戦はそういった自然の「なんとなく」が描かれている。友だちという関係性は自然に醸成される。「なんとなく仲良く」で構わないのだと再確認させてくれます。
呪術廻戦、言うまでもなくかなりオススメです。