アリか、ナシか。ありふれた会話だ。
誰しも一度は出くわす疑問ではないだろうか。
「男女の友情は成立するのか?」
という誰もが耳にしたことがあるだろう問いだ。
私たちは、遊びに行くことや趣味の集まりを通じてやりたいことを一緒にやれる友達が見つかるサービス「つなげーと」を開発・運営しているのですが、友達に関するサービスを作るスタートアップ企業である私たちこそ「男女の友情は成立するのか?」について世の中のみなさんはどう思っているのか知っておかねばならない、と思い立って調査しました。
調査は「つなげーと」ユーザーへのアンケート依頼。そのうち有効回答数は641名(女性 49.6%、男性 48.4%、回答なし 2%)となっています。
男女間に恋愛感情を含まない友達関係は存在すると思いますか?
まずは「男女の友情」のアリ / ナシを直球で質問してみました。
641人のうち491人(76%)が「男女の友情はある(成立する)」と回答。
「場合によるが異性だからという理由だけで友人になれないわけではない」という旨の自由回答も含める「異性の友達関係は成立する派」は全体の約80%だった。
ただ、反対に「男女の友情はない(成立しない)」と回答した人も125人で、「場合によるが、ほぼありえない」といったような回答も含めると約20%。5人くらいの集団があったときにその中のひとりくらいは異性との友達関係は成立しないと考えているということでもあります。
全体から見ると少数ではあるものの、5人にひとりもいるとなると普段の人付き合いの中でも「相手は異性との友達関係はないと思っているかもしれないし……」と頭にチラつくくらいの一定数は「ない派」がいると言えるのではないでしょうか。
男性と女性で『男女の友情はない』という割合はちがうのか?
5人にひとりが異性との友情を結ぶのは難しいと考えている、という結果が出たが、男性と女性では、どちらが『男女の友情はない』と思っている人が多いだろうか。
アンケート結果を見ると、男性の方が『男女の友情はない』と考えている割合が多かった。
「男女の友情はない(成立しない)」と考える女性は5.6人にひとりなのに対して、男性は4.3人にひとり。
男女ともに「男女の友情はある(成立する)」が大多数だという結果を忘れてはいけないが、それでも「ない派」の男女比の開きは無視できない。(後述するが女性でも年代によっては興味深い結果が出ている)
なお、回答者641人の男女比は女性が 48.4% で男性は49.6%(残りは無回答)。男女それぞれ300人以上の回答を得ているため「男女の友情はない(成立しない)」は男性に多いというこの結果はサンプルの偏りによるものではなさそうだ。
「男女に友情はナイ」という人が増加する年齢層・世代は。
「男女の友情はない(成立しない)」という人を年齢層と性別で比較できるグラフにしたのが下図だ。
20代後半の男性が極端に多く、ついで30代前半では男性・女性ともに平均を大きく上回って「男女の友情ない派」が増えている。
全年齢の平均が約20%なのに対して、この年齢層だけ増えるのは何故だろうか。
年齢が上がるごとに……といったタイプの変化であれば「昔と今で社会が変化したから」と言えるが、30歳前後の年齢層の変化が大きいこの結果からするとそういった社会の変化による影響ではなさそうだ。
キーとなるのは「30歳」か?
30歳の前後には何があるのだろう、と思案してみる。もしかしたら「結婚」が影響しているのではないだろうか。
厚生労働省の人口動態統計によると、令和元年(2019年)の平均初婚年齢は男性が31.2歳、女性は29.6歳だ。この年に限らず毎年大きな変動は見られない。
1980年代後半~2000年あたりに生まれの人たち特有の価値観と考えるべきだろうか。
年齢が上がるごとに増えるような性質のものではないため、結婚や恋愛に関する意識がそうさせるという可能性もある。男性心理や女性心理までは数値からは推測ができないが、恋愛観の違いなどが影響している可能性はありそうだ。
なお、回答サンプル数が少なかったため上記のグラフからは割愛しているが、10代は男女ともにほぼ「男女の友情はある(成立する)」としており「ない」としている回答がほぼなかった。若い世代は友人関係に性別なんて関係ないという価値観に足を揃えているのかもしれない。
世代によっては3人にひとりが「異性との友情は成立しない」と考えているとすると、70~80%の人たちが友達になるのに性別は関係ないと考えていても一定数のすれ違いは起きてしまうと言えるのかもしれない。
男女間の友情が成立しないと考える心理は?
「男女の友情はない(成立しない)」と答えた人のうちの34%が、その理由について「具体的な理由はないが、そう感じる」と感覚的なものだとしている。
また「相手を恋愛対象として見てしまうから」が理由という回答が29.6%あった。好きになるかどうかは別として、異性である時点で友達になることはなく恋愛対象の性別であるという認識のようだ。
逆に「自分は友達だと思っていても、相手が恋愛対象にしそうだから」を男女の友情が成り立たない理由としている回答も22.4%あった。モテ過ぎてしまった体験からそういう考えに至ったのかもしれない。
男女間の友情が成立しないと考える理由のうち、自由記述回答には数字では読むことのできない回答が集まった。
「親友レベルの親密度になると異性では難しい」(30代 女性)
「グループなら(男女の友情は)存在する」(40代 女性)
「SNSのせいで男女の友情が成立しなくなった」(50代 男性)
物事の捉え方は人それぞれなのでこれが正しいというものではないが、男女間での友人関係が成り立たないと考えている人たちにはそれぞれの想いがあるようだ。
仲良くなれる人たちとの楽しく気楽な時間を増やしたい。
私たち「つなげーと」はやりたいことを一緒にできる友達が見つかるサービスを作っているスタートアップ企業です。
遊びに行く機会や、趣味の集まりなどを通じて仲良くなれる人たちを増やしたいと考えています。
友達を作って欲しいと願っている私たちにとって性別を理由に友情を反故にする風潮は強敵です。データをとるまでは「異性と友達になれない」という回答が全体の半分くらいあるのではないか、と恐れていましたが約80%は友達になれるという回答だったことに安心しました。
しかし、10人くらいの集団があれば異性とは友達になれないと考えている人たちが2~3人など一定数は混ざっているとも言えます。
そう感じる・考えることはその人にとっての事実なので、彼ら / 彼女らに変わってもらおうという話ではありませんが、より多くの人が互いに仲良くなれる人サービスを作っている私たちにとって「どのくらいの人たちが異性と友達になれる or なれない と考えているのか」を知ることができたのはとても重要なデータが得られた思っています。
気楽に仲良くできる人たちとの楽しい集まりを増やせるように「つなげーと」のサービスづくりにデータを活かしていきたいと思います。アンケートにご協力いただきましたユーザーの皆さまありがとうございました。