ミスを隠さない戦略的Zoom会議のすすめ

ミスを隠さない戦略的Zoom会議のすすめ

  • 川合 裕之
  • 川合 裕之

なんだか妙に居心地が良いな。あれ? どうして?

Zoomで数えるほどしか顔を合わせていないし、まして実際にはあったこともない相手。にもかかわらず、なぜだかすごい一体感がある。どうしてだろうか。

あ、そっか。この人たちは毎日、毎時間、毎秒に「友達作り」を真剣に考えている人たちだ。それが本職。仲良くなれないわけがないのか……。

***

はじめまして、「つなげーと」というスターアップ企業で編集者 / ライターをしております、川合裕之と申します。

あらたにスタートしたメディア「つなげーとWAY」の編集担当として、つい先日ジョインしました。組織の中では新参も新参の自分ですが、そうは感じさせない不思議な魅力がありました。

「あ、トイレいっていい?」

僕がジョインしてから、2度目となるミーティングのZoomで、開口一番に編集長のフジイが言いました。

「ごめんなさい、トイレ行ってもいいスカ?(笑)」

いや、さっきもギリギリまで別の会議に出ていて、お手洗いいく時間がなくて……。と楽しそうに言葉を続けます。

和んだ。

お湯をかけるとゆっくり咲き開く中国のお花のお茶みたいに、じんわりと和んだ。

仕事柄、こうした打ち合せは慣れていますが、やはりどこか肩の力が入っていたのだなと自ら認識した瞬間でもありました。

腹を見せる猫

まあ「トイレ行って良いですか」と言って待たされることを怒る人はあまりいないと思いますが、それでも相手を待たせるような事を仕事の場で言ってはいけないのではないかという思い込みや心の壁があるのが人間というもの。

でも、こうやって「おなかを見せる」のが普通だという雰囲気があると、最近の言葉でいうところの心理的安全性が確保されて、会議で思いついたことを発言しても失礼ではないという前提が共有されるのだなと感じました。

僕が気づいた大切なこと

実際にそうしたフラットな関係性でこそ、クリエイティブな発想が生まれるのではないでしょうか。

気軽にアイデアを出し合い、気になることがあれば上下関係は無視して指摘する。膝をつきあわせて議論する。きっとそれこそがチームの創造性の源泉である。スキルがどうとか、語彙力がどうとか、そういうのは後からいくらでもついてくる。

積極的に雑談をする、自分を隠さない

Zoom は1度に2人以上話せない。もちろんオフライン会議だってそうかもしれませんが、オンラインでは発話する権利がグラデーションで移り変わるのではなく、明確に1ターン1ターン区切られがち。関係性が硬直してると特にこの傾向は強まります。つまらないことや的外れなことを言ってしまうと、オンラインだとすぐに会議の空気がよどんでしまいますから。

ですので、オンラインでも気軽に話せるような土壌を耕しておくことが大事なのだなと思いました。

つなげーとWAYのZOOM編集企画会議
ペンを持って一番偉そうにしているのが筆者

ちなみに代表の鈴木さんはいつもファミレスのジョナサンで作業をしているのですが「今日はどのジョナサンで作業しているか」を最初に教えてくれます。もうちょっと「そういう挨拶」「そういう儀式」みたいになっていますが、こういった何気ない会話があるから会議でも壁を作らずに話せるのだなと思います。

相手のことを知る、自分のことを知ってもらう種を撒いておく

雑談をする、といっても「さあ雑談をしてください」と言われると難しい。お見合いじゃないんだからさ。普段からSlackなどのチャットで気になる記事をシェアしたり、雑談したりしています。

もしチャットでスルーされても、いつかどこかのタイミングでこれが活きてきたりします。そういう意味で中長期的に「種」を蒔く姿勢が大事。フラットな関係性は一朝一夕にしてならず。

「きょうはどのジョナサンにいるんですか?」という気軽などうでもいい質問も、その日までに「フリ」が積み重ねってこそです。

手のひらを見せる

僕はこれを多用しているのですが、意識的に両手がカメラの中にフレームインするように心がけています。

オンラインだと他の作業をしながら話せてしまうことがありますが、あえて両手を見せて「他の作業をしながらの会議をしていない」のを共有しています。

もちろん、つなげーとWAY編集部はそんな疑心暗鬼の漂うギスギスしたチームではないのでアピールする必要もないのですが、オンラインでも同じ場を共有していますよ、というメッセージになるかなと思って勝手に実践しています。握手という挨拶には、もともとは「銃を持っていないですよ」というメッセージが込められているという説がありますが、それに似ていますね。大袈裟かな。

前職の上司が、インタビューの仕事やクライアントと打合せするときにパソコンをよく閉じていました。むしろ相手の目の前で閉じる動作をするためだけにパソコンを持参しているのではというくらい何もしない。傾聴の意思表示がとても上手だなと感心していました。これをZoomに応用した小技が「手のひら見せ」です。

オンラインもまた「場」であるということ

「ごめんなさい、トイレ行ってもいいですか?」 とにこやかにフレームアウトするフジイさんの言葉で気持ちが和んだ僕は、「えっと、じゃあ僕もお茶を入れてきます」と気軽に言うことができました。

こうやってある意味では無駄な時間を共有し、無益な情報を交換することで安心できる関係が形成されるのだなと実感しました。

インターネット回線で接続された目に見えないZoomのミーティングルームが、たしかに全員が共有する「場」として認識させられたような気がします。情報が伝達する手段としてのオンライン電話ではなく、時間と話題を共有するための目的地たる部屋なのだというような印象を受けたのです。

街中のバイク。なんか雰囲気で載せている

そうやって共通の空気を作ることに意味がある。そんな気がします。

代表の鈴木も編集長のフジイも、意図的かそうでないかに関わらず、人と人が繋がるということを大切にしているように思います。

つなげーとは、気軽な友だちを作れるサービスを提供するという抽象的で大きな方針を掲げているのですが、そんなミッションを掲げて人と人が繋がるということを大切に考えているチームらしいオンライン会議だな、と感じました。