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5/26読書会 フランクル『それでも人生にイエスと言う』

フランクルと言えば、ナチス強制収容所の体験をつぶさに記録した『夜と霧』で知られる精神医学者である。本書は、現場の医師として経験したさまざまな出来事を踏まえ、壮絶な収容所体験に基いて語る人生論である。いわば、『夜と霧』の続編とでも言えようか。

現代は、生きる意味や人生の価値を見失いがちな時代である。そのため幸福や快楽の追求に身を委ねる人も多いが、フランクルによればそういうのは誤り。「私は人生に何を期待できるか」ではなく、「人生は私に何を期待しているのか」を問うべきなのだ。日々の暮らしの中で経験する具体的なこと、たとえば重い病気で苦しんでいるあなたが、今ここにおいてどう行動すべきか。人生のほうから問いを突きつけてくる。あなたはそれに応答しなくてはならない。意味や価値はそこに発生するのである。

死と背中合わせの極限状況を生き延びたフランクルの言葉には、机上の空論を語る職業的哲学者にない説得力を感じる。自分のポケットからお金を出して囚人に薬を調達していたナチス親衛隊員の話や、自分の死期を悟った患者が医師の安眠を妨げないよう気配りする話など、真実だけがもつ重みがある。自分の人生の意味がわからず迷っている人には、ぜひ一読をお勧めする次第である。きっと得るものがあるだろう。

2018/05/28 (月)

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