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11/18読書会 カズオ・イシグロ『日の名残り』

執事スティーブンスは長年、英国貴族ダーリントン卿に仕えていたが、卿の死後アメリカ人のファラディ氏がその邸宅を買い取ったため、新しい主人の下で働くこととなった。スティーブンスはある日、女中頭だったベン夫人(ミス・ケントン)から手紙を受け取る。有能なベン夫人に復帰してほしいと思ったスティーブンスは、彼女に会うべく旅に出る。旅をしながらスティーブンスは、ダーリントン・ホール華やかなりし頃の出来事を回想する。ミス・ケントンに対する淡い恋心や、ナチスに利用されて破滅するダーリントン卿の悲劇を思い出して涙を流すスティーブンスは、アメリカ人の主人のためジョークの練習をしようと気持ちを新たにする。本作品のあらすじはざっとこんなところか。

スティーブンスには、自分がナチス協力者のところで働いていたことなど、都合の悪い事実を歪曲する傾向が見受けられる。ミス・ケントンの手紙を自分に都合よく理解してしまうなど、記憶力にも問題がある。「執事の品格」にこだわるあまり、ミス・ケントンを冷たくあしらってしまったりもする。この作品は、そういう「信頼できない」スティーブンスの矛盾や自己欺瞞に留意して読むとおもしろく読めることだろう。

2017/11/18 (土)

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