イベントレビュー

ハーゲンダッツとコーヒーを用意してとりあえずアナスタシアのあらすじを公式で読んで迎えた開演。(家で配信見ました) 幕が上がって、冒頭流れるオルゴールの曲(『once upon a December』?)は、華やかですが明るくはなく、でも不思議と耳に残る曲調で、見終わったあと思い返すとこの曲、「アナスタシア」(作品)みたいだなあと思いました。作品は全編を通して「炎のボレロ」とかみたいな夏!情熱!ダンス!みたいな明るさはない分、しっとりと美しい作品で、登場人物達の革命から止まっていた時間が人との出会いや再会で動き出すような結末。すごく大団円かというとそうでも無いような気がしますし、舞台自体革命後の不安定な冬のロシアと底抜けに明るいって訳では無い。でも観劇後ふと思い出す印象深いセリフやシーンがあったり、曲や演出も豪華ですごくミュージカルを見ている……!と思うシーンが多かった。そんなこんなで「アナスタシア」すごく良かったです。 それから今回主演の真風涼帆さんといえば、私は「オーシャンズ11」冒頭の『fate city』が大好きで、顔面の良さで一瞬気づかないけどよく見ると割とダサいボーダーの囚人服から素敵なスーツ姿に早着替えして歌い出すシーンの主役の登場!感が忘れられません。スーツを着て、舞台の真ん中でスポットライトを浴びてる真風涼帆さん、無敵のトップスターじゃないですか?今回の「アナスタシア」のディミトリも立ってるだけで華やかでとにかく最高でした。それに詐欺師とかのちょっと悪い役が似合いすぎて倒れ伏した。月雪宙の現トップはタバコや酒を嗜む役の似合う三銃士だと思います。(onceとかBADDYとかアクアヴィーテの影響) 革命シーン後に掃除婦として再登場するアーニャは、やっぱり歌が上手いし、ふとした時の所作の綺麗でした。こりゃ芹香斗亜も一目惚れする。あとアーニャ・ディミトリ・ヴラドの3人組のバランスが良くて好き。なんとなくズッコケ三人組やハリーポッターの3人組のバランスが似てますよね。3人でわちゃわちゃ踊りながら歌う曲が可愛かったです。 男役がメイン役を務めることが多い宝塚作品でタイトルに女性の名前が着く作品て、私は「エリザベート」と今回の「アナスタシア」くらいしか思い浮かばないのですが、2作品とも宝塚らしく主軸に男役を置きつつもちゃんと娘役アナスタシアやエリザベートのための話になっていて、男役だけでなく娘役メインの曲や娘役の見所が多くて見応えがあります。歌えて踊れて可愛い星風まどかさんにピッタリの役だったと思います。 それから今回和希そらさんを今回初めてちゃんと見ました。舞台は特に何の違和感もなく見たのだけど後々あの歌が死ぬほどうまかったリリー役の人誰だろと思って調べたら普段は男役の方って知ってびっっくりした。ワンスのデボラやカサノヴァのコンデュルメル夫人やアーサー王伝説のモルガンみたいに男役の方が演じる女役って妖艶さと繊細さの綯い交ぜな役が多いイメージでしたが、確かに冷静に思い返せば今回のリリー役もお淑やかな可愛い人っていうよりは俗っぽいけども地に足をつけてちゃっかり強かで自立した美人で女役みありますね……。リリーメインの曲凄まじくお上手でしたし、皇后の後ろに控えているときの品の良いデキる女感も本当に素敵でした。アーニャに「あまり期待しないようにねお嬢さん」(ちょっと違うかも)って言う時のリリー、めちゃめちゃ気遣いのできる大人の女じゃなかったですか?ウキウキ踊ってた人とは思えない。歌も上手いしドス声?の凄みもあって今回完全にファンになりました。(歌の上手さとドス声といえば la voile のようこそあなたやマダムヴォルフ大好き Forever 真彩希帆)とりあえずこの曲もituneで後日配信されたら買うにして、今度は男役和希そらさんを見るためにオーシャンズ11やアクアヴィーテ、もっかい見返します。 今回舞台で影の主役だったような気がするグレブもすごく良かったです。芹香斗亜さん、エリザベートのルドルフのイメージ強いので、どの舞台で見ても一瞬マザコンの役なのかな…?って思ってしまうのだけど、今回はしっかり仕事人でぐっときました。とはいえアーニャに一目惚れするとことか多分日替わりのアドリブパートのところとかちゃっかり芹香斗亜さん特有の愛嬌があって好きだし、結局アーニャを殺せないグレブの葛藤の瞬間前後の表情筋の動きが好き。ルドルフみたいな愛されたがり役も要領と顔と口の上手いラスティ役に加えて葛藤の必殺仕事人役もこなすなんてさすがです……。 はーーーーまどかさん専科へ異動されちゃうのが残念ですが、それはそれとして「アナスタシア」とっても素敵でした。多分見逃してた所や時間が経って記憶が曖昧になった所とかたくさんあるしもう1回くらい見たい。 次はポーのマチネのライビュ配信と「fff」配信楽しみにします。fffの初日舞台映像で高笑いする真彩希帆見てもう最高みたいな気持ちになったし、東京公演のチケットは生のだいきほみたいので絶対取りたいです。望海風斗さん主演作品、誰か死んでからが本番みたいな所あるので今回どなたが死ぬのかな〜なんて思いながらすごい楽しみにしてます。 緊急事態宣言で先行き見えなくなりつつありますが、良い宝塚ライフを〜

2021/01/20  @me11